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2008年2月

2008年2月18日 (月)

萬月に翳り?

午後の磔刑 (文春文庫 は 19-9 王国記 6) Book 午後の磔刑 (文春文庫 は 19-9 王国記 6)

著者:花村 萬月
販売元:文藝春秋
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 王国記シリーズも文庫版で早くも第六作ですか。「午後の磔刑」読了しましたが、だんだん展開がつまらなくなってきましたね。新刊は読まないので、今後の展開をご存知の方にはこの記事の内容が古く感じられるかもしれませんが、太郎が神の子では設定が苦しそう。ジャンがミュージシャンとして成功するなんて陳腐ですよ。萬ちゃんも歳とったのかな。百合香や教子の会話がオヤジギャグで流されているようじゃ、登場人物が萬ちゃんそのものだし、最も好きな作家としてほとんどの作品を読んできただけに残念ですね。読者サービスはエンタテインメント作品のときだけでいいので、純文学を書くときは、以前のように贅肉を削ぎ落とすだけ落とした、花村文学の神髄と言える、触れただけで切れてしまうような文章を読みたいものです。

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2008年2月 2日 (土)

キリノの爽快ストレートパンチ

白蛇教異端審問 (文春文庫 き 19-11) Book 白蛇教異端審問 (文春文庫 き 19-11)

著者:桐野 夏生
販売元:文藝春秋
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桐野夏生さんの初エッセイ集読了しました。江戸川乱歩賞受賞作の「顔に降りかかる雨」以来、全作品読んでいますが、あの桐野夏生の小説世界を真の意味で理解するには、やはり彼女の素顔が垣間見れるこのエッセイ集は貴重です。自分に正直であることは、他人にあるいは世間に傷つけられることを厭わないことなのかもしれませんが、ある意味この不器用な生き方こそが、計り知れないパワーを生み出す原動力と言えます。世間の理不尽が許せない、ならば戦うしかない、彼女はシャイな女性だと思う・・・、が強い、・・・魅力の尽きない不思議な女性である。もう一度このエッセイ集を読み返すつもりである。神の理不尽、世間の不条理に対して、真っ向ストレートパンチで立ち向かう彼女の爽快さには、読者として読むという行為で、彼女の作家魂に応えてあげたいと思うからである。

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