今回は「THE BEATLES」通称”ホワイト・アルバム”です。製作当時のグループの状態が散々な状況を考えれば、奇跡と呼べるくらいの質の高い作品群がちりばめられています。個人的にはビートルズのすべてのアルバムの中で一番好きです。このアルバムに収録されている曲のジャンルが多岐にわたっているため、散漫と評価する人もいる一方で、ビートルズの真の底力の一端を垣間見ることの出来る作品として、その多様性を高く評価する人もいますね。もちろん僕も後者のひとりですが、彼らの音楽的バックグラウンドの広さが、あのビートルズ・サウンドを作り上げた言えるし、その秘密を探る手がかりとなるアルバムです。さて曲の方ですが、Glass Onion ではジョンが再びいたずら心を出してビートルズ自身の曲を引き合いにして、聴く者を混乱させる遊びをやっていて楽しいですね。ジョンの作品はヨーコと出会ったことでさらに才能がスパークしたかのように秀作が多く収録されています。Happiness is a warm gun などは完全に天才の仕事だし、ポールもこの曲からかなりの影響を受けたはずです。Everybody's got something to hide~ も好きな曲です。ここでもジョンのナンセンスな歌詞が炸裂していて楽しいです。Julia , I'm so tired , Sexy Sadie など内省的な曲や皮肉屋ジョンの面目躍如的な佳曲がありますが、このアルバムで一番の驚きはポールの曲だろうと思われるようなGood Night が実はジョンの作品だったということですね。穿った見方をすればこれもジョンのポールに対する皮肉かな、などと考えてみるのも楽しいですね。”お前が作りそうな甘ったるいバラードくらい俺にも書けるぜ”という風に・・・さすがにジョンは歌わずにリンゴに歌わせていますが、ポールが作った曲ならポールが歌ったはずです(笑)。そのポールですが、このアルバムでも相変わらずいい作品を量産しています。Back in the USSR , Helter Skelter, Birthday といったパワフルなロックが秀逸です。一方特徴的なのがアコースティックギターの弾き語り風の曲はポールは上手いってことですね。Blackbird, Mother nature's son など好きです。彼自身、ソロでも度々この2曲はライブで演奏していますね。ジョージの傑作While my guitar gently weeps はやはりいつ聴いてもいい曲ですが、エリック・クラプトンではなくジョージがソロパートのリードギターを弾いてみても良かったのにな、などと思ったりもします。もちろんクラプトンのソロは最高ですが・・・。しかしこのアルバムジャケットですが、当時サイケデリック全盛で他のアーティストがビートルズのSGT PEPPER やMAGICALを追いかけてカラフルに走っていた頃、ビートルズはさっさと白一色のシンプルなジャケットで発表して、早くも時代のリーダーの貫録を示すと同時に、アーティストとしてのセンスの良さを感じます。
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